世界トップシェアを持つ企業

2011.12.31

転職活動に入ったTさん。専門性の高い研究領域のため、キャリアに合致する求人は数が少なく、応募に至ったのはただ一社、B社だけであったが、選考は順調に進んでいた。そして、TさんもB社のことは大いに気に入っていた。B社の主力研究拠点は海外にあり、将来は海外赴任の可能性がある。そこで働くエンジニアの国籍も様々で、国際色豊からしい。「B社こそ、自分の理想の企業だ」Tさんは期待に胸をふくらませていた。だが、幻想は程なく打ち砕かれることになる。日本で開かれるコンベンションにB社の研究スタッフが参加することになり、来日の際、Tさんは彼らと面談する機会を得たのだ。そして直接話してみると、B社の人達の技術レベルはそれほど高くないことにTさんは気がついた。A社の中で何気なく交わされている東北訛りの会話の方が、技術的にはより高度なのだ。「A社は世界トップシェアを持つ企業なのですから、当たり前のことだったのかもしれませんね。ボクの中で妙な固定概念があったのかもしれません……」Tさんは転職を取りやめ、A社で働いていく事を決めた。